「あれ、なんだっけ」

一介の人の妄言と出来事

2019-01-01から1年間の記事一覧

回想 ロフトのある部屋

抱き締められた体の重み、触れる頬の柔らかさと温かさ、華奢にも関わらず手を回して知る背中の広さ、立って抱き締めた時に感じた顎を肩に置きづらい身長の高さ。そして何より嬉しかったのは、ふと眠りの世界から戻った時に最初にあった感覚が頭を撫でられて…

本日記②

腹心の友から貰った、よしもとばななさんの『もしもし下北沢』を読み終えた。まるでパラレルワールドの私みたいな人が主人公だった。終わりの気配を感じながら、その終わりを受け入れる。冷たいようで暖かい終わりを知る主人公。その気持ちを抱えながら生活…

200

200回見て貰えたようです。 みなさんどうもありがとうございます。

終電と星

「あ、イルミネーション!」 アパートの前に立っている2本の木が電飾を施していた。実は近くに寄るまで蔦に電飾を施していると思っていたのは内緒である。 あれもそうだよ、これすごいね、と心が踊る。渋谷や恵比寿のイルミネーションもいいがこういう家のモ…

The Strawberry Sundae

彼女と夏に遊びに行った時のこと。かねてから行きたいと思っていた喫茶店に入ることができた。駅の真ん前だというのに何故だか入る勇気が出なかった所だ。 窓際の席で凍えるような冷房とたばこの匂いで満ちていた。メニューを見るとパフェが並んでいる中で唯…

Sence Like a Cottoncandy

「最優秀賞取った!」 と、授業終了間際に彼女の書いた文が優秀作品として選ばれたとLINEが届いた。一部の知人はきっと僕のことを書いていると気付いただろう、僕がドイツに行くことは巷に知られていることである。 実際にいる人を題材にして僕は大っぴらに…

たびたび

薬を飲んで、酒を飲んで、ただ頭の回る感覚だけに身を委ねて逝きたいとたびたび願う。 カッターと水で意識が遠のくのもいい。 親が嫌いだ。この世に生まれたことを悔いている。可能ならば生まれたくなかった。それもこんな汚くてヘドロのような人間ではない…

Fraise

腹心の友が誕生日祝いと留学決定(ほぼ)にプレゼントをくれた。 封筒を開けるとふわりと香る。自分があげたものだとすぐ気付き思わず「あっ。これあげた香水の匂いがする。」と声を漏らす。香りは意外に感じるものだ。特別な手紙には文香を添えるのだけれども…

こうかんこ

お守りを色々持っている。神社で買ったもの、貰ったもの、”声”が聞こえた時に持っていたハンカチ、バディが折った鶴などなど。 2日前お守りの1つであったコインを交換した。東ドイツの硬貨で1年前にフェスティバルに行った時に「ドイツ語を学んでいる綺麗な…

副作用

周りの音が半音低く聞こえる。そう気づいたのは服薬した翌日だった。聞こえるチャイムの音、電子レンジ。決定打になったのはタケモトピアノだった。 あのタケモトピアノだ。音が絶対に変わるわけがないのにその音が完全に突拍子もない変な音になっていて自分…

酔いの中

臭いがする、独特な臭いが。これはドイツの匂いらしい。これまでに嗅いだことのないものだ。 一口貰ってすうと吸い込み吐く。はじめて煙を吐いた。苦い。喉の奥で味がして、じ、と焦げたような感覚がする。 煙が自分に燻る。自分が吸っているわけではないの…

腑に落ちる

"人間はもともと男男、女女、男女であった。しかし神が半分に分けてしまった。半身になったもう一方の自分を探す旅。それを愛と呼ぶ" プラトンのギリシア神話、と言って教授が話した。「半身を探す旅」つまりは、自分を本来の自分を取り戻すことだと解釈して…

克己

負けるな 怯むな 退くな 自分は強い、凄い 不器用だから、それだけ頑張っているだろう? 勝負の時だけはそうやって自己暗示して乗り越える。乗り越えていく。

ラブレターをば

時刻はAM2:17。スマートフォンで打っている。蝉が最期の足掻きで2輪駆動のふかした音のように鳴く。 親愛なる友を思い描く。この人はよく"彼女"と表現して自分を綴ってくれる。似ていて異なるが素敵だ。 この友の誕生日が近いのだ。手紙も書くつもりであるし…

100

どうやら、100回誰かに見て貰えたようです。 知ってる人も知らない人もどうもありがとうございます。

眩しい

『残ってる』を聴いて"同じ身分で"どこか共感して、心苦しくなる季節はもう来ることはないのか あの頃には戻りたくないけど、あの苦しみも感じたくないけど、ほんの一瞬を永遠に続くんじゃないかと思い込もうと必死になって、けれども一瞬の心の片隅だけでも…

トマト缶

トマト缶を使った料理は野菜もたくさん摂ることができるし、調味料だってがつんと減らせることができる。冷蔵庫の中身を循環させることが一種の生きがいと言っても過言ではない。 同居人は新しいもの好きでよく~のたれを買ってくる。買ってくるのはいいが、…

動く

本腰を入れる。という表現を自分はよく使う。入試の時と同じ心持だ。嗚呼、変わっていない。 結局は自分の人生は自分のものだから、自分で動かない事には何も始まらない。 それを十分に分かった上で、悲しい気持ちになる。なぜこうも要領が悪い人間で色々と…

コインランドリー

通勤途中、コインランドリーを通る。朝。 ふわっと熱気と共にいい匂いがする。どこかで嗅いだことのあるもの。 それもまた、ふわっと予定が組まれた。そしてふらりと立ち寄った居酒屋で手渡されたおしぼりの匂い。あの時みんながなんていい匂いなんだと言い…

こんな俺なんて誰からも愛されはしないな。 んなこと言ってるからだよ。 じゃあどうすればいいんだ。 わからない。 わからないのに何で愛されてるんだ?何が違うんだろう、何が足りないんだろうか。 まあ、愛されなくてもいいんだけど、別に。 そっか、その…

半径20cmほどの世界での読書

不運が続く。妙に気が落ちる。ついていない自分に嫌気が差す。 辛さから逃げた。平日のフードコートの仕切りに凭れて眼鏡を外した。『水中都市 デンドロカカリヤ』を読む。 意思を持つ「何か」が本来の姿では無くなっていく。安部公房のそこが好きだ。毒々し…

口から生まれたなんとやら

自分はよく話す。話す事が好きだ。バイト先の仲間からも「口から生まれたんだよ」と言われるほどだし、実際1人でいたいと願っていても結局は誰かがいないと寂しく感じる。久しぶりに長く人と話したので、思い出したことがある。 小学校、中学校と人間関係に…

本日記

本を借りて、返却期限日になってやっと1冊読破した。3冊借りたのに残りは読み切れていないので延長をした(その2冊は自動書庫に入っていたものだからよほどの物好きじゃないと予約をしないだろうという予想は的中する) 吉田 篤弘さんの『木挽町月光夜話』 吉…

呟こうとしたもの

しんみりとしたことを聞いてもらったりするのですが、己と向き合う度にどうも詩的(と呼べるほど高尚ではないけれど)になってしまい振り返ると恥ずかしい。しかしちゃんと向き合ってくれると言いますか、しっかりと笑わずに親身に聞いてくれる友人に囲まれて…

夢うつつ さまよいましょう 星影の小径よ

星影の小径という歌がどこからともなく頭の中を流れていた。書き綴っている今もその気持ちに戻ろうと流す。はて、アカシヤとはなんぞや。 ある友人はオイルランタンを手にし、別の友人はカブトムシ用のストッキングトラップを持った。自分と同性の友人は手を…

車内にて

とても運転がうまかった。久しぶりに乗る車なのにも関わらず前にも乗ったことがあるのではないかと錯覚を抱くほどに。 景色が移ろう。緑、みどり。窓が開く。手を伸ばす。ぬるいけども心地いい風。 音楽が流れると知らない曲で溢れる。歌うみんなと、眺める…

一端

「やっていけないよ。」 おもむろに箱を取り出せば慣れた手つきで蓋を開け、吸って、そして大きく吐き出すと共に、ずずっと前のめりになる。煙を肴にするように追って麦酒を流し込む。 その一連の動作に何故だか目が奪われる。その光景も印象的だが、何より…

心を空に

心を空にする術を2つ持っている。1つは掃除、もう1つは料理だ。 悲しくなったり、苦しくなったり、どうしたらいいのかわからなくなる時があるとわっと泣いていつの間にかどちらかの行動に走るのだ。 両方とも共通しているのが没頭して悩みで覆いつくされてい…

てすてす

スマホ投稿を試してみる 果たしてどんな感じなのか うだる暑さ。 湿気は一応消えたようだ 空を見上げると突き抜ける群青 会計嬢は昔も変わらぬ聞き取りやすい素敵な声

失恋

父は、苦しい歌が好きだ。 昔はなんて陰気なんだと馬鹿にしていたのだが、自分もいつの間にか苦しい歌が好きになっていた。 特に父の苦しいという曲の内容は失恋だ。なぜ父が失恋の歌を好きなのかはよくわかっていない。けど昔は苦しんだんだろうな、この人…