「あれ、なんだっけ」

一介の人の妄言と出来事

本日記②

腹心の友から貰った、よしもとばななさんの『もしもし下北沢』を読み終えた。まるでパラレルワールドの私みたいな人が主人公だった。終わりの気配を感じながら、その終わりを受け入れる。冷たいようで暖かい終わりを知る主人公。その気持ちを抱えながら生活し、人を愛する姿は自分を重ねてしまった。終わりは終わりであっても、始まりでもある。

驚いた、こんなに今の自分の状況のようであるとは。

自分は今友達以上恋人未満な関係である人がいる。終わりが来てしまうのかもしれない、と思うと彼女と山崎さんの家に訪れた時に山崎さんが言ったセリフ、描写が過る。全く一緒である。涙がぽろぽろと出てきた。辛いとかなんだかそういう感情だけではなくて、相手を失いそうになる寂しさ、不安、離したくない気持ち、だけど大切にしたいという感情、ごちゃ混ぜになった彼女の気持ちがよく分かるからこその涙だった。

この物語の続きはこの予言書のような本にもない。自分もまだ分からない。だからこそ大切に生きたいなと思えた。