腑に落ちる
"人間はもともと男男、女女、男女であった。しかし神が半分に分けてしまった。半身になったもう一方の自分を探す旅。それを愛と呼ぶ"
プラトンのギリシア神話、と言って教授が話した。「半身を探す旅」つまりは、自分を本来の自分を取り戻すことだと解釈してこの時、空の青さを知った時のようにふと視界が開けた気がした。もともと一緒だった片割れを探す旅。
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”自分という存在は何かを媒介しなければ見ることはできない”
自分の顔が自分の顔だと認識できるようになるのに幼いころに疑問を覚えていた気がする。鏡に映っているのは他の何かではないかと一瞬過ったことはないだろうか。このフレーズを聞いたときに、
”他人の気持ちを考えて行動しなさいということを言うが、結局は自分というフィルターを通さないと物事は考えられないので、他人のことを考えたといっても自分のことを考えただけにすぎないのだ。人間は利己的なのは逃れられないことだ。”
というような内容の教科書で取り上げられたフレーズが脳内を掠めた。