「あれ、なんだっけ」

一介の人の妄言と出来事

Fraise

    腹心の友が誕生日祝いと留学決定(ほぼ)にプレゼントをくれた。

 封筒を開けるとふわりと香る。自分があげたものだとすぐ気付き思わず「あっ。これあげた香水の匂いがする。」と声を漏らす。香りは意外に感じるものだ。特別な手紙には文香を添えるのだけれども、やはり添えられてる手紙はとってもよい。特別感がぐっと増す。

 

「寂しくなるなぁ」

留学に行きたいと口にするときから度々ぽろっと言われるその言葉を彼女の声で聞くと泣きそうになる。自分はここまで想われているんだと心にじーんと来るし、このまま行けばこうやってごはんを一緒に食べること、目を合わせること、所作を見て笑うことがしばらくの間できなくなることが寂しくなる。

自分が朧げにただ行きたいと思った志が叶う。このことが彼女の励みになったらしい。とても嬉しい、励みになると言ってくれる人がいると頑張ることができる。

 日常に寄り添うものを自分にプレゼントしてくれた。本と手紙はドイツに持っていこう。