「あれ、なんだっけ」

一介の人の妄言と出来事

内定が出た話

 正確的に言うと内々定と呼ぶ。

 

 どうしても自分の経験を結び付けた就職活動を続けたかった。

 

 昔から英語は勉強できる環境にあり、大学1校目では、西洋史学が主専攻で、高校から独語もやっていたこともあり(独検2級、CEFRで言うと一応B1相当)、文具メーカーに入りたいと頑張っていました。文具といったらドイツで、海外と交流をしているような企業であれば、キャリアステップでドイツや欧米諸国に関われるチャンスがあるかもと考えていました。

 パソコンやスマートフォンで活字を打ち、気軽に誰かに文を送れるようになったからこそ、手書きという行為が人の気持ちにより届きやすく、文具が生活、ひいては「気持ちに寄り添ってくれるもの」であると感じていたため、アナログの良さというのに惹かれ、文具のメーカーに業界の軸を全ツッパし行っていましたが、粉砕玉砕でした。

 新卒でメーカー希望となると大手しかないのです。穴場という概念はありませんでした。工場や百均に卸す雑貨のメーカーなどに目を向けてもいたのですが、新しいものばかりを生み、ロングセラーを生み出そうとしない企業もあって、違うな…と思い説明会止まりでした。「長く使える物を生み出す、長く使えるようにする」、「どんな人にも寄り添った」ことに携わりたいのだなと思いました。

 ちなみにそこから、文具売り場はアレルギーになりました。この会社のものだと分かっているため、そこを受けた記憶がフラッシュバックをし、商品の良さに目を向けることができなかったのです。気の休まる場所だったところでしたが、今でも、文具売り場は当時ほどではないですが、入るたびに苦しい思いをします。

 

 そして2校目では、司書資格を取るべく勉学に励んでいました。そして気づかされるのです。正規職の少なさを。

 自治体の人件費削減、業務の効率化、民間ノウハウを活かそうという思いから生まれた、指定管理者制度というものが確立しており、日頃通っている図書館員のみなさんは非正規雇用であることを知りました。契約社員ということです。

 正規雇用として働くには公務員試験*1を受け、都庁・県庁の司書職として採用されることが一般的です。

 公務員試験の教養試験というのは幅広い分野から構成されています。自分は小さい頃から数学が壊滅的に苦手で、高校でも外国語に特化した場所に進んだため、普通科の卒業生よりも前提知識がないのです。ですから、民間で内定をもらってから公務員試験を受けるか、内定をもらったら公務員試験はすっぱり諦めるかと、どちらにせよまずは、民間の内定を是が非でも取らなければと動いていました。

 民間で図書館に携われる業種として挙げられるのが建設やSEです。建設は言わずもがな図書館自体を、SEは館内外問わずOPACというオンライン蔵書データベースを作っている方々です。コロナ禍でOPACやHPの重要性を感じていたことや、ピンポイントで公益性の高い場所に貢献したいという考えから文教部門、自治体部門が独立して存在するSEの企業も受けましたが落ちました。

 

 どうして図書館で働きたいのか再考すると、

・昔から本に人生を救われてきたから

・第3の場所としての役割

・貧富・年齢の差関係なしに使える

という柱があり、第3の場所、いわば「逃げ場所」としての役割を図書館が担っていることに気付いたとき、豆電球がぴこんと光ったような感覚を覚えました。

 

 そこから福祉という業界に興味を抱き、就労支援や生活訓練の支援員の説明会を受けていて、ある時にケースワーカーとして内定をいただきました。

 そこを受けようと思ったきっかけは、自分が学生時代、多くの先生方に支えられてきて、自我を保ってきた、道を進もうと踏み出す一歩をくれた経験からです。優しくされたことがある人は優しくできる。苦しい思いをしたことがあるからこそ、痛みに寄り添える。ロマンチックすぎるかもしれませんが、そうありたいなと思います。

 

 2019年の秋から就職活動をしていたので、大体3年と少しかかりました。トータルで30社ほどです。公務員の試験勉強ではなく、今は他の資格の勉強にモチベーションが向いているのでそちらをのらりくらりと頑張りたいと思います。

 

*1:地域によって、大卒区分か短大卒区分か分かれます