「あれ、なんだっけ」

一介の人の妄言と出来事

車内にて

 とても運転がうまかった。久しぶりに乗る車なのにも関わらず前にも乗ったことがあるのではないかと錯覚を抱くほどに。

  景色が移ろう。緑、みどり。窓が開く。手を伸ばす。ぬるいけども心地いい風。

 音楽が流れると知らない曲で溢れる。歌うみんなと、眺める自分。何にも知らないんだなとつくづく感じる。

 みんなはアイスを食べる、自分は眺める。自分は食べる、みんなは食べない。話がぽんぽんと出てくる。自分は言葉に詰まる。

 そんなにみんなと揃えたいか?と言われるかもしれない。好きな人たちだからこそ揃えたい、揃られたら…。

 

 こんな楽しいイベントに悲しさを覚えて自分のちっぽけさに乾いた笑い。後のバケツに重なる夜露につながる。