「あれ、なんだっけ」

一介の人の妄言と出来事

扇子

 扇子を貰って思い出したことがある。自分が風邪を引くと同居人がやってくれていたことだ。

 自分は幼少期は特に病弱で、月に1回は風邪をこじらせ、体重が2kgほどがくんと落ちてしまう子だった。

 今は風邪をこじらせることは大幅に減った。しかし、その代わりと言ってはなんだが、インフルエンザや肺炎など大きめの病気にかかってしまうことがある。

 気道が通りやすくするために、毛布や座布団、椅子をいつもの蒲団に敷いて半分起き上がっているような状態にし、氷枕に洗面器に少し高いティッシュポカリスエットが用意される。早めの時間に寝つく時に、「暑いよね」と扇子を持ってきて寝付くまで扇いでくれるのだ。あと、体をぽんぽんと叩いてくれる。これは風邪を引かずとも昔はしょっちゅうやってくれていたことなのでとても懐かしい気持ちになった。