「あれ、なんだっけ」

一介の人の妄言と出来事

初夏の夜

夜の帳が降り踊る。響く足音はこの世界の生みだす静かさから。木々が昼と同じように囁いている。
風と手に取り、今宵はワルツを踊る。今日の舞台は天井が低い。
「そうか、そろそろ梅雨が来るのだね。」
重そうな服を纏って動きにくそうだ。
「この服重たいけれど好きだよ。」
身を寄せる。暫くは衣替えをしないようだ。