一端 ビデオ通話
「あなたは幸せになれよ!」
「これでフラれたらどうしようね?」
「フラれたら私が押し掛けるよ。」
「じゃあきっとそんな話をしているときは向こうの家にいるだろうから住所を前もってLINEで送っておくわ。んで、ダメだった時にあ、とか呟いたらドアをどんどん叩いて呼び出しでしょ。」
「『ちょっと開けてくれますかあ?』ってね。ああ、ボタンがあればいいね。押したら床が開いてうぃーんって私が出てくるの。小林幸子みたいに。それで『この根性なし!金輪際うちの〇〇には指一本触れさせはしないんですからね!』って言い放って説教垂れるの。んで二人乗りして帰ってく。」
「んで、男友達も出てくるんだ。」
「そうそうボタン、うちらが別れた後にやってきて一言言うんだよね。」
「うぅ~ん、最高。」
性が悪いと2人でくくくと笑って、あんなやつ知らんと手をぶんぶん振る。まぁ、生きていりゃいいねだなんて黒い冗談を言い合うことに友情とやらを感じる。悪戯を仕掛けて罠にはまるのを見ているかのような楽しさがこの人と話していると常にある。